これが、自分の中で、留学前と後で最も変化したことかもしれません。
振り返ると、出願先を選ぶ時に考えていたのは、
「とりあえずランク上位15校くらいをリストアップするか」
程度のことでした。もちろん
「せっかく会社を辞めて留学するんだから、できるだけ多くの日本人に名が通っている大学じゃないと、みっともないな」
といったミーハーな考えもありましたが、実際のところは、「ランクと所在地以外にプログラムを区別できる情報が得られなかった」というのが正直なところです。
(企業等から派遣される場合、一定以上のランクのプログラムでないと留学が認められないケースもあるようです。)
知り合いに公共政策大学院に留学していた人もいなかったし、各プログラムのカリキュラムも形式上は似たようなものだったので、チョロっとネットサーフした程度では、各スクールがどういう特色(強み)を持っているのかがわかりませんでした。
そもそも、そういう違いが存在することすら認識できていなかったと言ったほうが正確かもしれません。 留学してみて初めて、各プログラム・大学によって強みと弱みがあることを知りました。
我がミシガン大学フォードスクールを例にとると、貧困・教育政策に非常に強いという印象でした。専任教授の研究領域も、経済や外交より人種差別、貧困、教育格差、人権といった分野が多いことがわかります。特に教育政策に関しては、Susan Dynarski, Brian Jacob, Kevin Stange の三人衆を擁する、知る人ぞ知る研究拠点となっています。
「じゃあその強み・弱みをどう事前に見極めるか」
と聞かれると、やっぱり月並みですが
①選択科目の授業リスト(Course Listing)を見る
②そのシラバス(Syllabus)が公表されていればそれも見る
③同じ大学の他の専門大学院の分野を見る
④直近数年で新規採用されたAssistant Professorの研究領域を見る
⑤キャンパスを訪れる
ことぐらいかなと思います。
①と②は、「選択科目」という点がポイントです。
公共政策大学院選び①でも紹介しましたが、必修科目に関しては、どこのスクールも大差ありません。選択科目にこそ、そのスクールの特色がでます。例えばフォードスクールの今年の秋学期のリストを眺めると、"Education Policy" "Community Development" "Drugs, Crime, and Terrorism" といった特徴あるキーワードが見られます。これらは必ずしも毎年オファーされるわけではないので、過去数年分のリストを参照することをお勧めします。
③も実は①と②に近いのですが、例えばミシガン大学では、School of Business はもとより、Schools of Social Work / Public Health / Urban Planning / Education / Natural Resources and Environmentなどがあり、そこでオファーされる授業を取ることができます。もし自分の興味のある分野のスクールが個別にあれば、 その分野をより一層深堀りすることができます。
④は、そんなに頻繁にあることではない(およそ3月から4月に発表されることが多いです)ですが、実は案外お勧めです。新任教授の研究領域に沿った選択科目がオファーされる可能性も高いですし、彼女らの研究領域は、そのスクールの向こう数年の方向性が表れていると思います。ググればすぐにCV(履歴書)を見ることができます。
⑤は、各スクールのが出そろった3月から4月にかけて「Spring preview」などと銘打って、進学決定・未決定者のために自スクールを紹介するイベントを開催しています。ただこれは、お金も時間もかかりますし、そこで得られる情報は①~④に比べてそこまで決定的ではないですし、正直コスパは悪いです。ただ、キャンパスやマチの雰囲気を肌で感じることができるというメリットはあるかもしれません。
最後に、これらはあくまで「複数のスクールからadmission offerをもらった場合に、その中からどこを選ぶか」という段階で役に立つ
出願時点では、やはり「TOEFLの点数をベンチマークとして、ランクの高いプログラムから順に出願する」ことをお勧めします😉
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